炊飯器の買い替えを検討して家電量販店にカタログを貰いに行ったところ、頭の中が完全に「黒須か野崎か」に侵食されて選べなくなってしまった。
そんなユニークな投稿がSNSで大きく拡散され、多くの共感を呼んでいるのを見かけました。
日本の炊飯器市場を牽引するタイガー魔法瓶と象印マホービンの最高峰モデルをめぐる、この悩ましい対決について詳しく知りたくなり、情報を集めてみました。
どちらも簡単には手が出せない10万円超えの高級家電だからこそ、それぞれの特徴を整理して自分に合った1台を見つけたいところです。
【VIVANT】
アカン、野崎さんと黒須にしか見えないw
象印とタイガーやってんなw pic.twitter.com/H6eq30dbag
— かい (@kaixakadesu) September 1, 2026
この一風変わった迷い方の理由は、大ヒットしたテレビドラマ『VIVANT』にあります。
作中に登場する主要キャラクターの黒須駿を演じた松坂桃李さんと、野崎守を演じた阿部寛さんですが、実はこのお二人がそれぞれタイガー魔法瓶と象印マホービンのイメージキャラクターを務めているのです。
古くから「虎か象か」と言われてきた炊飯器選びのライバル対決が、ドラマのファンや購入検討者の間で「黒須(タイガー)か、野崎(象印)か」というキャラクター対決に重なって受け止められるようになりました。
2026年6月21日には、両社から待望の最新フラッグシップモデルが同時に発売され、この「VIVANT効果」による泥沼の選択劇はさらに熱を帯びています。
黒須派を惹きつけるタイガーの最上位モデル「JRT-A100」の実力
松坂桃李さんがCMで凛とした姿を披露しているのが、タイガー魔法瓶の「土鍋ご泡火炊き JRT-A100」です。
伝統の萬古焼を採用した本物の土鍋を内なべに使用しており、登場から今年で20周年を迎えた同社のこだわりが詰まったモデルとなっています。

伝統工芸「萬古焼本土鍋」と300℃の大火力
内なべには三重県四日市市の伝統工芸品である萬古焼の本土鍋が丸ごと使われています。
新開発された「旨み対流形状」により、多方向へ激しい熱対流を起こし、お米全体にムラなく熱を伝えることが可能になりました。
さらに、二層IH構造「300℃ WレイヤーIH」を組み合わせることで、これまでの常識を超える最高温度約300℃の圧倒的な大火力を実現しています。
甘みを引き出す匠の技「とろ火IH制御」
今作では細かな温度管理を行う「とろ火IH制御」という新技術も投入されました。
料亭のプロが弱火でじっくり加熱して甘みを引き出す工程を科学的に再現しており、従来品と比較してごはんの甘み成分が約19%も向上しているそうです。
こちらの製品はタイガーの公式ストア価格が169,400円(税込)ですが、ネット上の実売価格では約11万円前後から流通している様子がうかがえます。
まさに職人の技を家庭で味わうための贅沢な一台として、多くの注目を集めています。
野崎派が熱視線を送る象印の最高峰「NX-AB10」の最新技術
阿部寛さんがCMで力強くアピールしているのが、象印マホービンの「炎舞炊き NX-AB10」です。
こちらは伝統の羽釜の思想を再現しながらも、最先端の電気制御技術によってかまどの炎を再現することにこだわった技術の結晶です。

激しい対流を生む「3DローテーションIH構造」
底面のIHヒーターを6つのブロックに分割して独立制御し、対角線上にあるヒーターを時間差で切り替える構造が採用されています。
これにより釜の中に縦横無尽に激しい対流を引き起こし、お米を豪快に舞わせることで一粒一粒に熱を行き渡らせます。
定格消費電力量は1440Wと非常にハイパワーです。
2026年の新技術「集中加熱蒸らし」
今作ではお米の弾力を大きく左右する「蒸らし」の工程にメスが入りました。
従来のように全体を均一に加熱するのではなく、底ヒーターを切り替える速度を遅くしてピンポイントで熱を加える「集中加熱蒸らし」を新搭載しています。
これによって余分な水分がしっかり飛び、お米本来の持つ弾力をさらに引き出すことができるようになりました。
こちらはメーカー希望小売価格がオープン価格となっていますが、店頭の実売価格ではタイガーと同じく約11万円前後から販売されているケースが多いようです。
最先端の制御技術を好む方にはたまらない選択肢になるでしょう。
「粒立ちの黒須」と「もちもち弾力の野崎」の決定的な食感の違い
この二つのモデルは、炊き上がるごはんの食感に明確な個性と違いがあります。
そのため、自分がどのようなお米の食感を好むかによって、どちらの製品を選ぶべきかが大きく変わってきます。
タイガーの「JRT-A100」(黒須)は、本物の土鍋特有のきめ細かな泡がお米を包み込みながら炊き上げます。
お米の表面を傷つけずに旨みを閉じ込めるため、一粒一粒がシャキッと立ち上がったような、素晴らしい粒立ちが特徴です。
噛むほどに本土鍋ならではの深い甘みを感じられます。
松坂桃李さんも「お米が一粒一粒立っていて存在感がある」と絶賛していました。
対する象印の「NX-AB10」(野崎)は、圧倒的な大火力でお米を激しくかき混ぜるため、もっちりとした非常に強い粘りと弾力を引き出します。
噛んだ瞬間に押し返してくるような弾力があり、料亭のクラシカルなごはんを思わせるふっくら感を楽しむことができます。
どちらが良いかは一概に言えず、シャキッとした粒立ちを愛するならタイガー、粘り気があってもちもちした食感を愛するなら象印を選ぶのが良さそうです。
正直、ここは普段食べているお米の好みによって大きく好みが分かれる部分だと思います。
毎日のお手入れや使いやすさで選ぶならどちらが快適か
高級炊飯器を毎日使うにあたって、お手入れのしやすさや日常的な使い勝手も見逃せない比較ポイントになります。
タイガー「JRT-A100」のお手入れと使い勝手
毎回洗わなければいけないパーツは「内なべ」と「内ぶた」のわずか2点だけです。
内ぶたはマグネット式になっており、力を入れずに軽く取り外しができる構造になっています。
さらに内なべは食洗機にも対応しているため、土鍋でありながらお手入れに神経質になる必要はありません。
実際に使っている人の間では、タッチパネルの液晶画面がシンプルで分かりやすく、操作に迷わないという感想がよく聞かれます。
ただ、本土鍋というデリケートな素材を使っているため、落としたりぶつけたりしないように扱う必要はありそうです。
象印「NX-AB10」のお手入れと使い勝手
こちらも洗うパーツは「内釜」と「内ぶた」の2点のみとなっています。
内ぶたには圧力ボールが配置されていないため、凹凸が少なく非常に洗いやすい設計です。
こちらも食洗機での洗浄に対応しています。
画面にはカラータッチ液晶が採用されており、イラストを交えながら直感的にメニューを選べます。
さらに、前回のごはんの感想を伝えることで炊き方を微調整してくれる「わが家炊き」は121通りもの調整が可能で、使うほどに自分の理想の食感へ近づいていく楽しさがあります。
どちらもパーツ数が最小限に抑えられており、お手入れのしやすさは高いレベルで拮抗していると感じられます。
予算11万円前後で失敗しないための選び方のロードマップ
最後に、どちらを購入するべきか迷っている方に向けて、それぞれの製品に向いている人の特徴を整理してみました。
タイガーの「JRT-A100」が向いているのは、以下のような方々です。
一方で、象印の「NX-AB10」が向いているのは、以下のような方々です。
個人的には、お米自体の豊かな香りと粒感を贅沢に味わいたいなら黒須(タイガー)、毎日の食卓に合わせて自由自在に好みの食感へパーソナライズしたいなら野崎(象印)が良いのかなと感じます。
実売価格ではどちらも約11万円前後という大勝負になりますが、どちらを選んでも毎日の食卓が驚くほど豊かになることは間違いありません。
どちらの炊飯器がご家庭の食卓にふさわしいか、じっくりと検討してみてはいかがでしょうか。
毎日の美味しいご飯選びの参考になれば幸いです。
